創造的休暇を過ごすために vol.2

今年度から、特命講師として本学に関わることになりました、三星です。

 

自分の紹介のまえに、少し本企画のことを説明します。

 

タイトルにある「創造的休暇」とはニュートンが発端となった言葉です。

彼は大学が休校になり、しばらく田舎に籠っている間にずっと考えていたことをまとめ、
それを「万有引力」として発表しました。

 

人類の進歩につながったこの期間は
一人考えをめぐらす余暇であり
それは大学が休校という状況によるものでした。
そしてこの創造のあたためるきっかけとなった休校理由は、伝染病ペストによるものでした。

そう考えると、休暇というのは単にストップする期間ではなく、
これから何か新しいものを生み出すための準備期間なのかもしれません。

音楽の休符のように、
音をとめて、緊張感を作り、次の瞬間に感情を爆発させるための時間なのかもしれません。

 

そのように考え、「創造的休暇を過ごすために」とこの企画を名付け、
皆さんにこの時間をよりよく過ごすための本や映画を提案したいと考えました。

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、
私からは「できれば今すぐ観た方がいいですよ」というものを紹介します。

 

ディーターラムスの映画「Rams」です。

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私たちが現在デザインする状況において、モダニズムという価値観が根底にあります。
モダニズムというのは、幾何学的、機能的、視覚的な潮流ですが、
ものすごく(暴力的に)ざっくりいうと、
「ごてごてした装飾はすてて、シンプルに」というような考え方です。

このモダニズムの出発点を作った国はドイツでした。
バウハウス、そしてウルム造形大学という教育機関をつくりました。

そしてその考えはブラウンという会社に引き継がれ、
工業製品という形で世に広まります。

 

みなさんのなかでは髭剃りのメーカーとして知っている人もいるかもしれませんが、
実はあらゆるプロダクトの先駆者として1960年代から様々なプロダクトを世に出していました。

 

計算機からジューサー、そしてスピーカーまで。
その全てが今見ても、洗練されたデザインで出来上がっています。
最近また再生産されていますが、50年近くたった今でも新鮮でとても美しい。

 

なにより、人が使うのに理にかなっているのです。
そしてそのブラウンのデザインのリーダーだったのがディーターラムスなのです。

 

彼の根底にある思想が「世の中をより良くする」ということです。
デザインで世の中を変えることができる。良くすることができる。
この映画ではそんなことを感じ、勇気がでます。

 

そして最後に、実は今(今日14日)はこの映画がフリーで見れます。
あなたがプロダクトを目指すひとであれ、
建築であれ、ファッションであれ、プロデュースやその他のものづくりであれ、
今自分が学ぼうとしていることに対して希望がもてる、そんな映画です。

この期間を創造的にするために、是非観てみてください。

 

特命講師 三星安澄

 

illustration:佐原輝夫(環境デザイン学科非常勤講師)

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