創造的休暇を過ごすために vol.14

特命講師の三星です。

 

今回の記事では、この時期ならではの本を一冊、おすすめしたいと思います。

 

哲学書にちかいものなので、少しハードルはあるかもしれませんが、
僕にとってとても大きな本なので、
この紹介を読んで興味が湧いたひとがいたら、是非読んでもらいたいです。

 

 

「暇と退屈の倫理学」國分功一郎薯

 

 

みなさん、いま「暇」ですか、それとも「退屈」ですか。
学校に行くことがなかなかできないこの時期、
どちらかの言葉を口ずさむ、そんなこともあるかもしれません。

 

 

でも、そもそも暇と退屈って同じことでしょうか。
「暇だなぁ」と「退屈だなぁ」は同じようで、
なんだか違う感じがしないでしょうか。

 

 

この本はタイトル通り、暇と退屈について考察した本です。
地味といえば地味なんですが、そこから思いもしないような展開があります。

 

最初の問いに戻りましょう。
もしいま「退屈だ」と感じている人がいたとしたら、
なぜ「退屈だ」と感じるのでしょうか。

 

なんとなく、何もすることがないから、
もしくは、なにかをしすぎてしまって(動物の森をやすりぎるとか)、
なんだかそんな日々に飽きてしまい、何か新しいことがやりたい、
刺激が欲しいと思うからでしょうか。

 

 

でもその新しいことや刺激って、
時には危険なことでもあるのに(外にでたい、とかね)、
なぜそうしたいと思うのでしょうか。
そもそもなんで、退屈であることがなんだかいけないことのように感じるのでしょうか。

 

 

この本ではそういう、「何もすることがない」という時間に
これまで人類がどう立ち向かってきたのか、
なぜ人は何かをして(ゲームでも読書でも電話でもテレビでも)
時間を埋めたいのか、刺激が欲しくなるのか、
そのことを解き明かそうと試みた本です。

 

 

これまでの人類の歩みを考察し、過去の哲学者を引用し、
新しい幸福のありかたを提案しています。

 

 

こう書くと、なんだか小難しい、デザインと関係ないじゃない、と思いがちですが、話はそうでもありません。

 

 

暇や退屈という一見地味なワードの向こう側に、
私たちが現代に生き、
無意識に欲している欲求というものが隠れているからです。

 

 

そしてそれは私たちの学科の根っこの部分にある
「創作行為」とも密接な関係があるのです。
じゃあ何か、というのはこの本を読んでからお話ししましょう。

 

 

最後にこの本の中の帯になっていて
最も好きなフレーズを紹介して終わりにしたいと思います。

 

 

「人はパンがなければ生きていけない。
しかし、パンだけで生きるべきでもない。
私たちはパンだけでなく、バラももとめよう。
生きることはバラで飾られねばならない」

 

特命講師 三星安澄

 

illustration:佐原輝夫(環境デザイン学科非常勤講師)

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