創造的休暇を過ごすために vol.5

新入生のみなさん はじめまして。
プロダクトデザインコースの桃園です。

 

大学に咲く桜や春の花々を抜ける風を感じたり、
大学に入学して新しい友達との出会いが新鮮だったり、
日常にあるだろうと想像していたことが待つ時間になりましたね。
みなさんが大学のキャンパスを晴々と歩く姿を見るのを楽しみに、
この境地を一緒に乗り越えていきましょう。

 

在校生のみなさん お元気ですか?
私自身が療養中の身で学科やコースのみなさんに助けていただいて過ごしています。
オンラインというスタイルでのコミュニケーションは人生初ですが
心配は気づきに代えて、緊張は笑顔に代えて、
みなさんとつながることを楽しみにしています。

 

 

桃園靖子教授 推薦図書
『人生は 一本の 線』

著者:篠田桃紅
出版:幻冬社
ISBN978-4-344-02930-9

 

 

_一本の線からはじまるんだよ_

美大受験でデッサンを教えてくれたアトリエの先生が、
なかなか描けない私に投げかけた言葉です。

_上手く描こうと思わなくていいから、自分が描いた鉛筆の線を大事にしたらいい_

その意味が高校生の私は理解することができなかったのですが、

何度も何度も描いているうちに
この線は気持ちがいいなとか、
この鉛筆の濃さで描く方が線は走るような気がするかなと感じるようになりました。

 

デッサンで上手く描くことよりも鉛筆で描くことが楽しいと思った受験生の私は、
良かったのか悪かったのか。

遠い過去のことでも、憶えている言葉があるというのは素敵なことだと思うのです。

恩師が残してくれた言葉も心の中に大切にしまってあります。
_本気でやれば、必ず誰かが見ているよ_

その言葉に支えてもらわなかったら、今こうしていないかもと思うことがあります。

 

人生100年時代と言われる昨今ですが
一本の線という言葉に惹かれて出会った本をご紹介しようと思います。

100歳を超えて今も現役で芸術家として活躍されている方が執筆され、
今年107歳を迎えられて筆を持っていらっしゃる篠田桃紅さんの書籍『人生は一本の線』

 

独特の毛筆で線を描く

その筆と墨と和紙  動き 流れ 余白 空間 時間 墨の色_生まれる「間」

文字という規則から飛び出て卓越した線の世界観と言葉の深さ
その間合いに引き込まれます。

私が好きな桃紅さんの言葉
「人間というのはもっともっと謙虚にならなくてはね」
「人間がつくるものは、たった一本の線すら、
雨なり雪なりの自然がつくりだす線に届くことはない。そういうものだと、私は思います。」

 

長い時間を歩まれてきたからこそ生まれた線、深い言葉にぜひ出会ってみてください。

 

桃園靖子

 

illustration:佐原輝夫(環境デザイン学科非常勤講師)

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