創造的休暇を過ごすために vol.30

久しぶりの更新となりますが、春休みのこのタイミングで
またいくつかの本などのおすすめを
この場所をつかって皆さんにお伝えしようかと思います。

今回は昨年出た割と新しめの本です。
内容的にも
新入生も含めて環境デザインコースの学生全体にとって良い本かと思います。

「工夫の連続 ストレンジDIYマニュアル」
元木大輔 著

みなさんがもし卒業後、どこかの事務所をへて、
晴れて自分でデザイン事務所をもったとします。

最初のころの仕事はどういうものかと想像すると、
だいたいの場合が、仕事の内容は難解、その割にあまり予算が潤沢ではなく、
もしかしたら自分で施工までしなくてはいけない、
そんな仕事が多いのではないかと予想されます。
(実際、僕らの若い時はそうでした)

そういう時にどうするかというと、
何かあっと驚くようなものを設計する!
ということはそもそもできないので、
既存のものをある程度利用し、
そこに自分なりの工夫や形をプラスする形で仕上げる、という方法にいきつきます。

こう聞くと、なんだか地味だな、と思うかもしれませんが、
現場的にはこういう既存のものをどう活かせるかというのは、とても大事なデザインスキルです。

なのですが、実はこの手のことをきちんと紹介している本は少ないのが現状です。

この本は、そういう既存のプロダクトを組み合わせたり、
または解体して一部を利用したり、
ホームセンターやIKEAにあるものを使ったりしながら、
新しいものをつくるためのDIYマニュアルです。

例えば、食器洗い用のスポンジをたくさんつかった展示棚、
またはクッションをつなぎ合わせたソファなど。
どのパーツも見たことのある普通のものだけれど、
組み合わせ、使い方、そのディテール、その工夫によってとても魅力的なものになっています。

そのどれもに思考の跡がみえて、
つまりは「工夫の連続」が読み取れて、
作ることだけではない、デザインの別の側面も感じることができる本です。

それぞれのアイデアに対しての、
わかりやすいIKEAのようなイラストも入っていて
デザイン的にも面白い。学生におすすめの一冊です。

「one day esquisse 考える「視点」がみつかるデザインの教室」
原田祐馬著

この本はグラフィックデザイナーの原田祐馬さんが、
2020年の春に学生とのやりとりから生まれた本です。

世間がコロナで大学に行けなくなったときに、
原田さんは自分のゼミ生に一日一題の在宅課題を出しました。

それがSNSでひろがり、様々な地域の学生がだんだんと参加し、
それに合わせるように他ジャンルの先生たちが朝に課題をだし、
夜はその講評をする、という企画を本にまとめた物です。

僕ら教員側からみると、課題の面白さ、
そして学生の回答の素晴らしさにうなります。

みなさん学生側からみても、同年代の学生の提案というものは、
なかなか見る機会がないのではないでしょうか。

なにより、このone day esquisseを行われていた日々のことを考えると、
なんだか胸が熱くなります。

コロナという状況にも負けることなく、
作ることをやめないという姿勢はとても勇気づけられます。

この春、残念ながら遠出をするのはまだ難しそうなので、
これらの本を読んで、デザインの筋トレをしてみてください。


プロダクトコース 特命講師 三星安澄

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