2012海外デザイン演習(建築)その4

海外デザイン演習(建築)5日目:早朝よりストックホルムをたち、デンマークコペンハーゲンに到着。本日の主たる見学先はクリントのグルントヴィ教会堂、ウッツォンのバスヴェア教会、ザハ・ハディドのオードロップゴー美術館、そして隣接するフィンユール自邸でした。
黄色レンガによる組石造のグルントヴィ教会堂は、ゴシックの教会等と比較すれば、内部空間は非常に穏やかであり、荘厳さの裏にある冷たく威圧的な感じは一切しません。光が組石の壁面を照らすたびにフッと浮かびあがる黄金色の空間は、私達の目を奪い、沈黙の時間を与えてくれます。光と色、そしてテクスチャアの選択がいかに重要であるか、改めて思い知らされる建築でした。

街区と共に計画された教会。シンメトリーな計画が教会の持つ象徴性を際立たせます。
黄色レンガを積んで出来上がった教会内部。太陽が雲裏にある際の堂内の印象は・・・
太陽が射すことで一変。そこには幸福に満ちた黄金色の空間が現れます。
黄金色の堂内にたたずむ学生の後ろ姿が、何故だかとても幸せそうに見えます。
堂内に飾られるたくさんの花や果実が、この教会がいかに地域に根差しているかを表しているかのよう。

その後視察予定であったヴァスベア教会ですが、何と当日は3組の結婚式があるとかで、残念ながら急遽見学がキャンセルとなりました。「改めて時間をかけてデンマークを訪ねるように」。そんなウッツォンの声が聞こえてくるかのようでした。続いて訪れたオードロップゴー美術館には、隣接してデンマークが生んだ家具デザインの巨匠、フィンユールの自邸が建っています。深い森に囲まれた周辺環境に対して、屋根の勾配や家具レイアウトで空間に緩やかな場所性を与え、非常に居心地の良い空間が出来上がっていました。いつかは私もフィンユールの家具を。また一つ将来の夢が増えました。

その昔、アンビルドの建築家と言われたザハ・ハディドによるオードロップゴー美術館。隣接するフィンユール自邸は撮影不可でした。残念。

そしてバスヴェア教会の代わりに急遽視察対象先としたのはルイジアナ美術館です。時間の都合上当初視察先から外していましたが、思わぬところで来訪のきっかけが。結果は大正解でした。ランドスケープの中に埋もれるように建つ建築は、美術作品の鑑賞空間としては本当に素晴らしく、鑑賞後の余韻を楽しむ周辺環境がこれでもかというほど広がっています。環境の持つ素晴らしい力を味方にした名建築でした。

風景に埋もれるように建つ美術館。
恵まれた周辺環境が、館内のいたるところから望めます。
構造体を重ねれば、その隙間からも雄大な自然が見え隠れします。
この建築のひとつのクライマックス的空間であるカフェ前の広場からは、海の向こうにスウェーデンを望めます。

(専任講師:森部康司)

 

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