2012海外デザイン演習(建築)その3

海外デザイン演習(建築)4日目:シリアラインによる船旅の後、早朝に到着したスウェーデンストックホルム。ノーベル賞の授賞式も行われる市庁舎等を駆け足で見学した後の本日の主な見学先は、レヴェレンツの聖マルコ教会、アスプルンドの夏の家、両者の合作である森の火葬場、そしてアスプルンドの市立図書館でした。

あいにくの曇り空の中、船上より朝やけを望む。周囲にはフィヨルドにより形成された島々が点在。寒さに震える女子3人の後ろ姿が、この日の天候を象徴しています。
早朝のストックホルムで記念写真。奥に見えるのがノーベル賞の授賞式に使われる市庁舎です。

聖マルコ教会は、人の手による荒々しいレンガ積みの壁を意匠としたレヴェレンツ設計の教会です。いわゆる教会にありがちなステンドグラス等からの象徴的な採光はそこには無く、小さな開口から入る厳選された光のみが内部を照らします。しかしだからこそ薄暗い空間に浮かぶ照明が大変印象深い建築となっています。

薄暗い礼拝空間に浮かぶ無数の照明

夏の家は、現在もアスプルンドのお孫さんが住んでいるせいでしょうか、今にもアスプルンドが帰宅してくるかのようなそんな錯覚を覚える非常に温かな、快適な空間でした。有名な暖炉脇に腰掛けたり、リビングのソファに座ったり、食卓に着いたりしながら、窓から見える周辺の風景に思いを馳せれば、もはやこの空間は私の夏の家でした。

裏手にある岩山から夏の家、その先の湖を望む。どこまでもゆったりとした時の流れがそこにはありました。

そしてアスプルンド設計の森の火葬場。世界遺産にも登録されているこの建築は、レヴェレンツ設計の礼拝堂や、アスプルンド設計の礼拝堂とともに、死を迎え入れる一連の動作の中に、ランドスケープとともにしっかりと溶け込んでいる、もはや言い尽くされた感はありますが本当に素晴らしい建築でした。宗教観の違いもあるのでしょうが、日本の墓地とは全く異なる公園の様な墓地もまた非常に印象的でした。

この建築の代名詞的なアプローチ、そしてその先の十字架を望む。

市立図書館はストックホルムの中心地にあります。純粋な幾何学により構成された建物外観とは裏腹に、エントランス階段を昇っていくと現れるその空間は、正に人が本に包まると言うにふさわしい空間でした。本棚の上の余白の空間が、建築に深みを与えている、そんな印象を受けました。

この幾何学的な外観の建物の中に・・・
   こんなにも豊かな図書に囲まれる空間が広がります。

(専任講師:森部康司)

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