2025,08.16 プロデュース
デザインプロデュースコース、2024年度「デザイン企画演習II1(吉永幸子先生)」の課題作品「お寿司の歯ブラシ TOOSUSHI BRUSH(トゥースシブラッシュ)」(朝倉麻菜・清野海音・本堂夏姫・安井萌花)を紹介します。
デザインプロデュースコースの演習授業では、様々な社会課題を取り扱っています。今回は、社会課題の中でも貧困・教育・環境問題に焦点をあて、「Zero Waste Society(ごみゼロ社会)を作るためにはどうすればいいか」というテーマに取り組みました。私たちのグループが注目したのは、ホテルのアメニティです。特に歯ブラシは数回使用されただけですぐに捨てられてしまいます。このアメニティのごみ量を減らすことはできないか、現状をデザイン企画で解決したいと考えました。
リサーチの中で、2022年のプラスチック新法施行以降、ホテル業界ではプラスチック製品の削減が課題となっていることを知りました。さらに都内のホテルを訪れ、インタビュー調査を行ったところ、宿泊者の多くが海外からの旅行者であるとが分かりました。また、フロントではお寿司の積み木やうちわなど日本文化を感じられるディスプレイや、ボタン一つでパンケーキが自動で焼きあがるマシンがありました。このように、フロント周辺で楽しい時間を過ごすための工夫がされていることがわかりました。
こうした調査をもとに、私たちは「お土産として持ち帰りたくなる歯ブラシ」を提案することにしました。提案したのは、「お寿司の歯ブラシ TOOSUSHI BRUSH(トゥースシブラッシュ)」です。この歯ブラシはヘッド部分が寿司ネタの形になっており、取り外し可能な構造になっています。お寿司は日本文化を象徴するアイコンです。海外からの旅行者にとって親しみやすく、楽しんでもらいやすいと考えました。また、食べ物の形をした歯ブラシを口に入れるという体験は、国内外を問わず訪問者にとって新鮮に感じられるのではないかと考えました。下記は、実際につくってみた試作品です。
また、お土産として寿司型のヘッド部分を追加で購入してもらうことも期待できるのではないかと考えました。そこで、ネタの種類はランダムで、ガチャガチャを通して追加購入ができる仕組みについても提案しています。持ち手は繰り返し使えるため、ごみの削減だけでなく、ホテルの利益向上にもつながります。
この企画案についてホテルの担当者の方へ提案したところ、「ホテル事業者からすると、利益面で魅力的にみえる。歯ブラシの購入・補充・客室に設置する費用の削減に繋がる。競合より注目される何かが欲しいと感じているので、良い企画だと思う」というフィードバックを頂きました。ホテルの滞在を楽しむことと、環境に配慮することのどちらも両立できるように工夫することができた企画になりました。
ホテルのご担当者の方々のご協力があり、貴重なお話を伺うことができました。この場を借りて感謝申し上げます。また、企画を進めるにあたり指導してくださった先生方、ありがとうございました。
清野海音(デザインプロデュースコース4年)
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