2020,05.03 プロダクト
特命講師の三星です。
今回の世界的な状況により、様々な美術館・博物館がクローズされています。
僕もこの4月から伊丹市立美術館で始まる予定だった、
「熊谷守一 わたしはわたし」という展覧会のデザインをしていましたが、
現時点(5/1)では開催延期になってしまっています。
そんななか、六本木の森美術館では、3月末まで開催予定だった
「未来と芸術展」をweb上でみることできるようになっています。
未来と芸術展
https://my.matterport.com/show/?m=k49Cr68caXk
具体的には、google mapのストリートビューのように、
展覧会場をめぐることができます。
360度、天井も含めてみることができるので、
作品のサイズや風景を見ることができ、展示を体験できます。
また、その時々に解説動画もついています。
この解説動画がとてもわかりやすく、普段展覧会に行って、
パネルに書かれた文章を読むよりも数倍、
展示作品や展覧会の意図を理解できると思います。
ただ、もちろん、だからといってこのバーチャルな展示が
普通にいく展覧会よりもいいかといえば、
それは意見が分かれるところかもしれません。
残念ながら、展示作品から醸し出される
息を飲むような緊張感や
身体の芯から震えるような感動は、
画面越しにはなかなか伝わらないのです。
ではこの展示方法が意味のないものかというとそうではありません。
美であったり、知であったりというものは、
論理的に理解することと、
体感として感動することの両方が必要だからです。
今回の森美術館の試みは前者の部分に大きく働きかけ、
いつか体感してみたいという希望を与えてくれます。
そしてそれは美術館に行くことや、
美術作品を見ることの大切さを訴えかけてくれるような気がします。
特命講師 三星安澄
illustration:佐原輝夫(環境デザイン学科非常勤講師)
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