ファッションデザインマネジメントコースが主催するファッションショー2023 「唯芽 -YUIGA-」、本日11月12日(日)、公演最終日です。
私たちの個々の装いは、さまざまな社会的制約との関係のなかで形成されているのではないか? そうした問題設定から始まった本制作は、次第にファッションの本質に向かう眼差しを獲得するに至りました。自分らしくあるとは何か、他者とともに生きるとは何か、私たちはどこまで自由であることが可能なのか、そして、ファッションで何ができるのか。学生たちがもがきながら辿り着いたクリティカルかつエモーショナルな瞬間を、ぜひご体感くださいませ。
FASHION SHOW Vol.20_2023 Concept Seat
唯芽 -YUIGA-
唯 そのものだけ。それぞれのオリジナリティ。
芽 物事の始まる最初の動き。兆し。
「社会的ならしさ」を超えていく
周囲からの視線のなかで、自分でも気付かぬうちに他者を意識し、自制してしまう。そうありたいと願う、自分の望む姿でいることは容易ではない。社会を生きる私たちは、常に見えない糸でつながった他者という存在に左右されている。見ること、見られることを互いに意識し、自分を装い、振る舞い、演じ分け、背伸びしたり、偽ったり、隠したりすることで、私は社会化されていく。社会的な私、他者に合わせた私…。私は私をうまく生きることができない。
見えない制約に縛られた私たち
今日、多様性や個別性を尊重する考え方がますます求められている。しかし、好きなように、自由に生きたらいいという風潮がある一方で、社会が設定する型や枠から逸脱した者に向けられる視線は、相変わらず冷たいままである。簡単に変わることのない風景を目の当たりにして、躊躇する自分。そうして、私たちはそれぞれが見えない制約に縛られていく。今回のショーが目指すのは、自己表現媒体としてのファッションを通じて、一人一人が制約に縛られないもっと自由な姿になることだ。制約と共存したり、乗り越えたりすることで、本当の自分の姿を見つけることができるような流れをつくりたい。
あなたも今日から主人公
一人一人が抱える問題や境遇はそれぞれであることから、各シーンのルックごとに設定する人間像は一人として同じではない。制約に対するアプローチやゴールも、人の数だけ異なる。見えない制約に焦点を当てた今回のショーでは、年齢や性別問わず全ての人々が当事者となる。全員が制約を受ける側であり、制約を課している側でもあるのだ。制約のなかで自分を見つめ直し、自分の望む自分を見つける。どんなことを考え、悩み、伝え、表現したいのか。それに気付いたとき、その制約は強さとなり、一人一人が主人公となるだろう。
私らしさの発芽
たった一つの芽。花々は種類によって同じ名前が付けられ、カテゴライズされる。しかし、一つとして同じものはない。色や形が同じように見えても、それぞれにしかない個性を持っている。花々が芽を出して新しい姿に生まれ変わろうとするように、今回のショーを通して、今まで制約にとらわれ隠していたありのままの自分と対峙し、新しい第一歩を踏み出してほしい。そして、それぞれの個性をお互いが認め合いながら、一つ一つが異なる個性を持つ美しい花々のように咲き誇ることのできる社会をつくり出していきたい。
Creative Director
鈴木里菜 / 遠藤優芽 / 谷嵜瑠衣 / 佐藤沙紀 / 滝田夏未
ファッションデザインマネジメントコース3年
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Fashion Show_2023
唯芽 -YUIGA-
[Date]
2023.11.11(sat)-12(sun)
① 12:00-13:00 *OPEN 11:30
② 14:30-15:30 *OPEN 14:00
[Venue]
Showa Women’s University
[More Information]
@swu__fashionshow
produced by
Fashion Design Management Course
Dept. of Environmental Science and Design
Showa Women’s University
〒154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57
© Showa Women's University