茶室を仕上げるvol.1

2024,11.26 建築/インテリアDP総合演習受験生のかたへ

先日中山先生より報告のあった「2×4で茶室を建てよう 建て方実習2024」。実はこのプロジェクトには続きがありまして、かれこれ十数年、田村・森部にて実施してきました1/1ワークショップのスピンオフ企画として、今年はこちらの茶室を仕上げてしまおうと有志学生10名ほどを募り、目下仕上げ工事進行中です。
今回はその途中の一工程を抜粋して、皆さんに紹介させていただきます。

今回我々が作る茶室の完成イメージは、外壁を焼杉貼りと、荒壁、一部漆喰仕上げ、屋根はいぶし瓦を葺いて、内装は荒壁+漆喰、そして現在学生が検討中の天井仕上げで構成するとしております。これらの仕上げ、どうせやるなら素材からということで、去る10月5日、千葉県は南房総市にある村上建築工房さんにお邪魔して、作ってまいりました。ちなみにこちら村上建築工房を主宰する村上幸成さんは、田村教員の大学時代の御学友で、今回のワークショップを全面的にバックアップいただいております。大学時代の友人が、何十年という時を経て、こうしてタッグを組むというのも、大学という貴重な学び舎の一つの重要な役割ですね。

塗り壁のための土づくりは、裏山で採取した粘土に古畳から切り出した藁を混ぜ、素足でしっかりと捏ねました。

焼杉は、杉板を三角柱に組んだ煙突内に、火を通すことで製作します。中からモクモクと吹き出す黒煙が、完成間近の合図です。

焼杉を固定する押し縁は、ある程度焚火であぶって焦がしたのち、最後はバーナーで焼きました。

塗り壁の下地となる割竹は、山で採ってきた竹を実際に割って準備します。

いぶし瓦は、古民家の解体から出た廃材を、実際の屋根のスケールに合わせて選定し、下穴をあける作業まで行いました。

作業で汚れることを伝え忘れた私のせいで、泥だらけになって家路についた学生が、どのようにして都内を走る満員電車に乗車したかはわかりませんが、なかなかない貴重な経験を、しっかりと心と体に刻んだことは間違いありません。

この後キャンパス内にての工程は、また改めて報告させていただきます。では!
(建築・インテリアデザインコース 森部康司)

〒154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57

© Showa Women's University