2025,02.18 ファッション
ファッションデザインマネジメントコース特命講師の國時 誠です。
クラフト基礎演習は服作りにおける「クラフト性」に着目し、手仕事が加わることの価値を制作を通じて学ぶ演習科目です。2つの基礎課題を行なったのちに、最終課題として古着を材料にアップサイクルをテーマに作品制作を行いました。2024年度後期履修学生が取り組んだ優秀作品をいくつか紹介します。
アップサイクルとは> 廃棄されるものや不用品に新しい価値を加えることで、全く別の新たな製品へとアップグレードする取り組みです。
制作期間:4週 最終課題
「古着にクラフト的価値を与えアップサイクルする」
優秀作品.1
中高6年間、弓道に取り組んできた作者は背が伸びて着れなくなった1代目の「袴」を材料に選びました。大切なものほど真剣に向き合えると考え、袴にはさみを入れることを決心し、丁寧に仕上げることを心がけ制作しました。同時期に着ていたチェック柄のプリーツスカートも材料に加えることで、凛とした佇まいの中に可愛らしさをプラスしています。
弓道をする作者の様子。大学生になった現在はコーチをしている。
優秀作品.2当時小学3年生だった頃にピアノの発表会で着用した小さなドレスは思い入れがあるため捨てられず、大切に保管してきました。このドレスのティアードフリルを1段ずつ解体し、好みが変わり着なくなったデニムスカートやキャミソールと組み合わせ「思い出を着飾る」をテーマに、妖精のような雰囲気の衣装として仕立て、もう一度ドレスアップすることができました。
発表会のドレスとカジュアルなデニムスカート
優秀作品.3小学生から高校生まで続けてきたダンス。文化祭や送別会など節目節目で着用したいくつかのダンス衣装を、1つの新しい衣装として再構築しました。シャツの袖と脇部分を切り落とし左右を交差させたり、ブラウスは上下を逆さまにし使用するなど元の形を大きく変えつつも、動いた時の美しさを大切にスタイルが良く見えるよう工夫し仕上げました。
それぞれに思い出のあるダンス衣裳
制作期間:2週 最終課題に向けた基礎課題1
「手の再確認・Flower Vase」 最終課題に向けて行う基礎課題として、草花を人体に見立てフラワーベース(花器)の制作に取り組みました。ウールメルトン生地を材料に、手縫いのみで2週という短い期間内に1つの作品を完成させる課題です。講評会では実際の草花を自作のフラワーベースに活け発表を行いました。
左_野菜・ロマネスコの規則性をデザインモチーフに、たくさんの円錐を規則的に組み合わせフォルムを構築した。刺繍糸の色を同系色で変化をつけたり、組み合わせ方向に工夫するなど、花を引き立てつつもリズム感のある造形にまとめている。
右_長方形の一部をつまむことでできる形を連続させた作品。簡単なアクションで豊かな造形を獲得した良作で、ピンクのクロスステッチの差し色とカーネーションのコンビネーションも◎。
左_素材の特性を活かしたドレープの美しい作品。手縫いをテクニックとして用いることが課題の条件ではあるが、手縫いを意匠表現に使わず構造のみに用いた。表現手段を絞り勝負しているところに作者の洗練された美意識を感じる。
右_課題の目標設定を超えた高クオリティの作品。パズルのように各ピースのパターンを作成し、手縫いによって丁寧に繋ぎ合わせた。繋ぎ目が全体のアクセントとなり、ユニークな質感を獲得している。
制作期間:3週 最終課題に向けた基礎課題2
「 即興と計画・ high speed cut&sewn」 基礎課題2つ目は「high speed cut&sewn」。タイトルのとおり短い制作時間の中で1着の服を作り上げる課題です。材料は3種類のカットソー生地(合計4.5m) で、パターンは用いず即興的に布地をカットし縫い合わせフォルムを構築します。縫い合わさった布をボディに当て検討することで、布の動きや色彩等のバランスを体感的に捉える力を養うことを目的としています。
作品を適切に記録することはプレゼンテーションにおいてとても大切なことです。この演習科目では野外でのフォトシューティングやスタジオでのライティング実演など、作品の魅力を引き出すための撮影テクニックを実践を通じて体験しました。
〒154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57
© Showa Women's University