自宅のリモートワーク環境

2020,09.12 建築/インテリア教員紹介

コロナ禍のなか、学生はオンライン授業、家族もリモートワークを急遽実施したご家庭も多いと思います。

単純に「在宅勤務(授業)になった」というだけでなく、住まいのなかに「職」が入ったことにより、住宅の使われ方や家族関係の変化、ひいては新しい住宅のあり方を考えるきっかけにもなる大きな出来事ともいえます。

 

私は建築分野の「住生活」を専門としていて、この問題に大きな関心があります。職と住の棲み分け、家族間の空間および時間の棲み分け、実際のリモートワーク環境(机椅子の配置、住宅設備)などを通して、住宅や生活圏における新しいかたちを模索したいと考えています。

 

とくに複数の家族がリモートワークを行うとなると、どの部屋を使うのか、使う部屋は一定なのか複数なのか、また、同じ部屋であっても、住宅の設備や環境(エアコンの効きや生活音)によって場所を移動するのかなどいろんな状況が考えられます。それと、起居様式や家具も大きなポイントで、そもそも「生活家具」と「オフィス家具」では機能が異なるので、長時間座って作業できる環境の整備も課題といえます。

また、仕事環境だけではなく、家族間の関係性、ストレスの有無なども関わってきます。

 

では具体的にはどうしているのか…、恥ずかしながら、私の場合を例にあげて、リモートワーク環境をご紹介します。

 

私は、夫と小学生2人の女児との4人家族です。夫は新型コロナの流行早々にリモートワークになり、私も4月からオンライン授業が決定し本格的にリモートワークを開始、緊急事態宣言が出された時期は子どもたちは休校になり、しばらくの間家族4人でずっと家で過ごしていました。私自身、知らず知らずのうちにストレスがたまっていて、実はいちど家族に対して大爆発した経験もあります(笑)。

 

もともと子ども部屋はあるものの、大人の個室はなく、夫婦2人がリモートワークをしていくにあたり、少しずつ使い方を模索しながら、今の状況に落ち着いたのは5月も半ばくらいです。

 

現在、私は2階の子ども部屋の勉強机を仕事場にしており、夫は1階のダイニングテーブルで仕事をしています。2人ともオンラインでのやりとりが多くあるので、同じ空間で仕事をすることは避けたいというのが大きいです。ただ、これも完全に固定しているわけではなく、子どもの在宅の状況やお互いの仕事内容により、場所を入れ替えたり、家の中を転々としています。私とよくオンラインで打ち合わせする方は、たまに私の背景が変わることがあることに気づくと思いますが、これまで家の中で5か所くらい(!)場所を変えています。

 

そしてこちらは私の机周りの環境です。

仕事効率化のための機器として、ノートPCに加え、デュアルディスプレイにするための少し大きめのモニター(←最近購入)、授業で活用するための液晶ペンタブレット、PCが熱くなるのを防ぐ冷却台などを少しずつ揃えました。また、長時間座ったままの環境を考えて、アームレスト、クッションなどを用意。最初は学習机とセットで買った椅子に座っていたのですが、もともと子ども用に合わせているため、机と椅子の高さが合わず、もう少し低めの椅子を出してきて、そこにクッションを置いています(もともとの子ども用の椅子は資料置き場)。

 

スタートはPC1台のみの環境から、「あれは便利」などという情報を聞きつけては徐々に整えていきました。といってもまだまだ「臨時感」は否めません(机の周りにはリカちゃん人形などが散乱…)。

 

こういったリアルなリモートワーク(オンライン授業)の現状のデータを蓄積していきたいと考えています。学生のみなさんで、ぜひこんなことに興味ある、協力してもいい、と思っている方は、これから始める自宅のリモートワーク環境の調査にぜひご協力ください!

 

建築・インテリアデザインコース 准教授 番場美恵子

〒154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57

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