プロダクトコース特命講師の三星です。
私の研究室では、いくつかの研究内容を並行して進めておりますが、
その中の一つに「紙器研究」というものがあります。
紙器というと、なかなか聞きなれない言葉かもしれませんが、
英語で書くと「Paper Container」と訳され、
いわゆる紙でできたパッケージや、段ボール箱、
または紙製パレット(絵の具に使うのではなく、物を運ぶ大きな台)なんかを意味します。
私の研究室では、これらの紙器のなかで、
市場に出回っているパッケージの展開図についての研究を進めています。
「市場に出ている」というのも一つのポイントで、
手で作るのではなく、機械の技術を使って作られている箱という意味があります。
そこには機械ならではの技術的な制限や、その制限からくる形の理由があります。
みなさんも手元にある箱を注意深くノリを剥がして広げてみてください。
そこには「なんでこんな形してるんだろう?」というパーツや印刷が見つけられると思います。
それはいわば、「箱を作るための知恵の跡」と言い換えられると私たちは考えていますが、
その痕跡を展開図の中から一つ一つ読み解く、
というのがこの研究の一番根幹にある動機です。
この度、これまでの研究成果をまとめた一冊の冊子を作成しました。
名付けて「紙器研究」。どストレート。
これまでの100を超える箱の採集から、
それぞれの学生たちが行った箱に関する4編の研究が綴られています。
製本も自分達で行い、ほぼ手作りのような本ですが、
もし興味がある学生がいましたら、
私の研究室の扉を叩いてもらえたらと思います。
特命講師 三星安澄
〒154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57
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